1枚のRAWデータからHDRを作成。

実質的なダイナミックレンジが広い1Dsの画像からは、この様なHDR(ハイダイナミックレンジ)写真をphotoshopを使って割と簡単に作ることができる。下の写真の場合はISO/160(100以下が望ましい)で撮影したものを現像時に露出補正0とプラス2/3のもの2枚を使用し合成したものだ。
1Dsはオンチップで現行機種の様に過度なNR処理がされていない(多分)のでハイライトを飛ばさなければ、シャドー側はかなり深いところまで階調が豊かに(ノイズが少ないという意味ではない)に存在する。
ただシャドー側をRAW現像時のプラス補正と更にトーンカーブで持ち上げているため、ノイズはそれなりに目立ってくる。撮影時の撮影条件や使用サイズ、また画像の状態によりNR除去ソフトは必要かもしれない。この作例ではNoise ninja を使用した。

完成写真

↑画面クリックで拡大画像(1352×2032px)

素材2種類の画像

露出補正0、撮影時の画像(レイヤーの上)

露出補正+2/3(0.67)の画像(レイヤーの下)

作成方法は至って簡単。街並部分に使う明るく現像したものをphotoshopレイヤーの下に、空部分に使用するもとの画像をレイヤーの上に配置。レイヤー上の街並部分を消しゴムツール(境目はソフトブラシ)でポンポンと消してやる。上下のバランスを見ながらそれぞれトーンカーブや彩度の微調整を施し、レイヤーを合体。

レイヤー上の空に使う素材。明るさ・コントラスト・彩度を微調整し
レイヤーを統合する直前の画像。こういう写真の場合、境目は結構いい加減にやってもOKだ

ご覧のようにphotoshopをお持ちの方なら結構簡単にこれ位のHDR写真が出来てしまう。コツは明るくする方の画像を明るくし過ぎないこと、余り明るくすると不自然になる。
1Dsのシャドーは今のEOS機に比べノイズは多いが、階調そのものは豊かでメリハリがある。シャドー部の彩度やコントラストは特にこの様なHDR作成に於いて、元素材に求められる重要な画質性能だと言える。

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