5D vs 1Ds、高感度域テスト
1Dsの高感度域はやはり使えないのか!?、いいモノがありました。

5Dなど最近のEOSデジは、高感度ノイズの少なさが画質面での売りになっている。しかし前項のテストをご覧いただいた通り様々なデメリットが生じている。これで画質が向上したと言えるのだろうか?出来ることなら高感度域でも1Dsを使いたい。そう思いながらDPPのノイズ除去を試してみたり・・・ま低感度用と割り切って5Dと併用すりゃいいよな、ってな時にこんなモノを発見!ノイズ除去ソフトのNoise Ninja だ。私が購入したのはとりあえず一番お安い“Home Standalone license: $34.95”というやつ。カード決済でwebサイトより購入出来る。早速これを1Dsの画像に適用し5Dとを比べてみた。

■ テスト条件
撮影環境はリビングで設置してある照明のみ、光源は蛍光灯(昼白色)+タングステンのスポットを天井バウンス+ダウンライト2ケ所のミックス。
手持ち撮影、レンズはTamron 28-75mm F2.8 XR Di。現像はDPP v3.2
●5D / ISO-1600(基本最高感度) F4 1/50sec 現像時露出補正なし
●1Ds /ISO-1250(最高感度) F4 1/50sec 現像時露出補正なし
(前項のテスト通り両機は約1/3EV明るさが違うためと、5DのISO/1600 の画像に1Dsが挑戦するという意味でこの設定にした。要するに暗い場所で、同じ絞りとシャッター速度で撮ったら絵はどうだ、という主旨です)
●作業色空間 / AdobeRGB ●色温度 / 3900k ●ピクチャースタイル / ニュートラル ●コントラスト / 0 ●色あい / 0 ●色の濃さ / -1 ●シャープネス / 4(1DsのNoise Ninjaを使ったNR処理はシャープネス0の画像に適用)トーンカーブで同じ明るさ・色合いになる様にそれぞれ調整。現像後photoshopで微調整、web掲載用にsRGB変換。

5D

1Ds

1Ds + Noise Ninja

ピクセル等倍(4368×2912 px)

ピクセル等倍(4064×2074 px)

ピクセル等倍(4064×2074 px)

8mp相当(3504×2336 px)

8mp相当(3504×2331 px)

8mp相当(3504×2331 px)

さていかがだろうか。どう感じるかはあなた次第、私は既に実践(仕事)で1Dsの高感度域を既に使っている。色再現性をあまり損なわずノイズを除去できるNoise Ninja に救われたのは非常にラッキーだ。1Dsは高感度域も色再現性そのものは衰えない。この画像では判りにくいかもしれないが(ガラス瓶の描写の良さはお分かりいただけると思う)取材等人物などでの差も両機を併用し判断した上での実践使用である。

次に1Dsにとっては非常に厳しいテスト、ISO/1250 -1/3EV、ISO/1600相当での撮影だ。クリップオンの天井バウンスと、ストロボ無しの室内光だけで、わざと顔にシャドーをつくったもの。
5Dの高感度特性は素晴らしい、しかしISO/1600ではシャドー部に結構ノイズが乗ってくる。

EOS-1Ds + EF70-200mm F4L IS USM @200mm ISO/1250(+1/3現像=ISO/1600相当) F5.6 1/60sec クリップオン天井バウンス

↑画面クリックでピクセル等倍切り出し部分画像

EOS-1Ds + EF70-200mm F4L IS USM @192mm ISO/1250(+ 1/3現像=ISO/1600相当) F5.6 1/50sec 室内光のみ

↑画面クリックでピクセル等倍切り出し部分画像

ISO/1600相当でも1Dsのリアリティは失われない。個人的には全然OKの画質だ。
私が1Dsを好ましく思う理由ははっきりしている。肉眼で見た臨場感が記録されるからだ。最近のEOSデジはNR、特にカラーノイズを除去する事と、画素ピッチの小ささに起因するレンジの狭さをごまかそうとする余り、人が感動する色彩を失っている。
ノイズなんて彩度の高いカラーノイズが少なけりゃ、輝度ノイズなんかはそこそこ残っていてもいいと思うんだけど・・・。少なくとも各チャンネル8ビットのwebやオフセット印刷ではノイズがあるからリアリティを表現できる部分は実際ある訳で、この辺りをCanon は解かっていない。

つづく

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