いかがだろうか。14nは僅かな飛びを許容するなら、上の画像の場合レタッチすればどのF値のものも使用に耐える。ということはこの絵の場合、使用に耐える露出が現像時の露出補正をしなくても約1絞り分の幅がある。露出補正をすればその幅はさらに広がる。
一方S2はF19のシャドー部を持ち上げるのが最もましな選択であろう。しかも皿の飛びとシャドー部の落ち具合を見れば、現像時の露出補正の余地もない。
ダイナミックレンジが広いという事は、単に飛ばない・潰れないといだけでない大きなメリットがある。特に上のような厳しい条件の場合(物撮りでは結構ありますな)、レンジが狭いと適正露出の幅も非常に狭い。またライティングの面でも非常に苦労する。例えば―、ハイライトの飛びを避けるためにメインライトの出力を下げる。でもシャドーの落ち込みは変わらない。シャドーを明るくするために手前のサブライトの出力を上げる。そうするとシャドーの落ち込みは救えるが、メインライトで作られた被写体の影も起きてしまう。そうすると光が回り過ぎた立体感のないのっぺりした眠い絵になってしまう。もちろん被写体に影響しないよう光を切ってしまえばいいのだが、ますますセッティングが複雑になり時間も掛かる。
広いレンジのメリットを簡単に表現すれば、ドバッと明るい光が被写体に当ててもその影がベタっとつぶれない。飛び際もつぶれ際も自然。文字通りダイナミックな絵がラクして取れちゃいます。
次回も引き続きレンジの検証を屋外の景色でやってみたいと思います。
基本的にはストロボの物撮りと同じなんですけどね。。
つづく
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