いいところ悪いところ/その3
〈S2Proとの標準域比較〉

さて今度は標準域の描写をチェックだ。レンズはtamron 28-75mm XR Di、14nは62mmの画角、S2では41mmのはずだが、fujiの純正ビューアーでは36mmと表示される。ズーム・フォーカスの方式によって焦点距離と画角は一致しない。
照明はストロボ、同じ画角になるように撮影した。

下の画像は14nで撮影したものをピクセル等倍で部分的に切り出したもの。細かな字にはお約束の偽色が、レリーズボタンの左側の部分には赤いハレーションが発生。14nのネガなところが確認できる。S2は偽色やハレーションの類は発生していない。

次に両機で撮影した下の画像、ともにグレーチャートをたよりにトーンカーブで同じ色合いになるよう色調補正を行った。14nは赤ハレの除去と偽色を低減する処理を施している。S2はトーンカーブのみのレタッチだ。
一見して分かるのが赤の色乗り。S2は明かに赤が薄い。もちろんレタッチで濃くするのは可能だ。一方14nはグレーを合わせた時の発色が非常にいい。前から気が付いていたのだが、S2は一見発色が良さそうだが、実は追い込むと非常にクセが強く、扱いが大変なケースも多い。ストロボでポートレートを撮る方ならご存知かもしれないが、マゼンダ・レッドからイエローにかけての色相がねじれている。ま、詳しくはまたの機会ということで、拡大画像をご覧いただきたい。

DCS Pro 14n

S2 Pro

ISO80 F16 1/125sec 13.7mp RAW WB 5200k、
ノイズ除去、シャープネスoff、tiff 8bit で現像後、Phoshop で jpegに変換、
USM・160/0.6/しきい値1で適用

ISO100 F16 1/125sec 12.1mp RAW WB 5200k、
彩度標準、シャープネスoff、jpeg 8bit で現像、
USM・160/0.6/しきい値1で適用

拡大画像 /中央部分ピクセル等倍切り出し 2000×2000pix 約1.8Mb

拡大画像 /中央部分ピクセル等倍切り出し 2000×2000pix 約1.8Mb

 

 

さすがに14nの解像度は高い。DLし、photoshppで見ていただくと分かるとおもうが、両機の解像度の差は50%表示でも確認できる。印刷使用においてはS2はなんとかA3、14nはそれ以上いける。最近じわじわ感じてきたのだが、レタッチで絵を仕上げるのはS2より14nの方が楽なのだ。主な要因は前記したように14nは非常に発色がリニアで扱いやすいこととダイナミックレンジ。S2は色相がねじれている上、無彩色の白やグレー・黒などに色かぶりが発生しやすい。もちろん14nにも色かぶりは発生するが、なぜか補正が楽だ。
で、最近14nの出番がほとんどになってきた今日この頃である。

次回はいよいよS2とのダイナミックレンジの比較です。このテストで、ネガな部分はあるものの、なぜ14nの出番が多くなったかのがお解かりいただけるはず!

つづく

 

14n index

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