いいところ悪いところ/その2
〈S2Proとの広角域比較〉

6mpの画像素子をハニカム配列することにより12mp出力ができるS2Proと広角域の画像を比較してみる。レンズはSigma 15-30mm。S2Proはワイド端15mm(換算約23mm)、14nは画角を合わせるため約23mmだ。
撮影はともにRAW、双方の色があまりに違うので、16bit-tiffで現像後、photoshopでトーンカーブのみの微調整をしている。14nは偽色やモアレ除去も施していない。
一見して分かるのが空の色だ。空だけならトーンカーブで合わす事は出来るのだが、他の部分の色が大きく違ってくる。もちろん特定色域の色相・彩度をコントロールすればほぼ近似した色合いに出来るが、双方の色づくりの特徴も見ていただこうと、この位にした。

DCS Pro 14n

S2 Pro

ISO80 F11 1/60sec 13.7mp RAW -0.5EV WBクリック、
ノイズ除去、シャープネスoff、tiff 16bit で現像後、Phoshop で jpegに変換、
USM・160/0.6/しきい値1で適用

ISO100 F11 1/90sec 12.1mp RAW -1/6EV WBクリック、
彩度標準、シャープネスoff、tiff 16bit で現像後、Phoshop で jpegに変換、
USM・160/0.6/しきい値1で適用

拡大画像 /左半分 3000×2250pix 約2.1Mb

拡大画像 /左半分 2848×2128pix 約1.8Mb

拡大画像 /右半分 3000×2250pix 約2.6Mb

拡大画像 /右半分 2848×2128pix 約2.0Mb

いかがだろうか。さすがに14nは解像度が高く細かな木の枝まで解像している。しかしS2も大検討、いや部分的には勝っている部分も見受けられる。例えば犬を連れた女性の右側の赤い植え込み部分。ここはS2Proの方が細かく解像しているように見える。
ピクセル等倍での比較は、あくまでピクセル等倍で印刷した時の印象である。問題は実際に使用するサイズだ。ちなみにモニタ上で50%表示した場合は画面全面に渡り14nの方が解像しているように見える。また、普段印刷物を扱っている私の経験では、広角域のこの画像の場合、A4サイズ以上であれば解像感は14nに軍配が上がると思う。逆にそれより小さなサイズでは解像感における差は感じられないだろう。ただレタッチを追い込んだ場合、レンジの広い14nが立体感やリアリティという面でで勝るのではないかと思う。
レンズについて触れておこう。Sigmaは非常に健闘している。14nの23mm、S2の15mm、四隅もほとんど流れも減光も見受けられない。ただ湾曲収差はクセモノだ。建築物などの撮影には同じSigmaの12-24mmの方が圧倒的に歪みが少ない。

次に下の画像をご覧いただきたい。14nの本領発揮、超広角域15mmの絵だ。

拡大画像 2000×3000pix 6.0mp 約5.2Mb

 

さすがに四隅は少し像の流れが認められる。シーンによっては減光も起きる。どこまで許容するかは難しいところだが、A3サイズの印刷物では使えそうだ。
それよりなにより痛快なのは、やはりこの画角、正味の15mmである。これが14nを使って最も“おお!”と感じたことのひとつだ。強烈な遠近感と広がり。表現の幅が広がったのはとても気持ちがいい。

次回はS2との標準域使用時の比較です。

つづく

 

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